新湊沖で捕れた重さ約1キロのワタリガニを持つ射水市漁業協議会のメンバー=新湊漁港

新湊沖で捕れた重さ約1キロのワタリガニを持つ射水市漁業協議会のメンバー=新湊漁港

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特上品ワタリガニをブランドに 今秋からタグ付け出荷

北日本新聞(2015年8月27日)

 射水市新湊地域の漁師たちが今秋から、地元産ワタリガニのブランド化に取り組む。高品質の個体にタグを付けて「越のわたり蟹(がに)」の名で出荷し、ズワイ、ベニズワイに続く「第3のカニ」を目指す。ワタリガニは関西では高級食材として扱われるだけに、漁師たちは「多くの人たちにおいしさを知ってもらいたい」と意気込む。新湊漁協や市も支援していく考えだ。(新湊支局長・芦田周)

 ブランド化に取り組むのは漁師11人でつくる射水市漁業協議会(東海勝久会長)だ。

 富山湾のワタリガニはみそや卵がうまい2、3月、重さ約1キロに成長して身がおいしい9~11月が旬とされる。

 県内では、みそ汁のだしに使う「おつゆがに」や「だしがに」として「かわいそうな扱い」(東海会長)を受けている。値が安く、本格的に漁を行う漁師は少ない。

 一方、関西ではワタリガニが高級食材として広く流通し、協議会によると関西の価格は北陸の10倍ほど。関西で「特上品」として取り扱われている重さ400グラムを超える個体がたくさん生息している富山湾は"宝の山"という。

 これらの事情に着目した協議会は、昨年からブランド化に向けて準備を進めてきた。ワタリガニを送った関西の業者からは「どれだけでも持ってきて」、関東のイタリアンのシェフからは「ぜひ使いたい」と好評を得ているという。地元の料亭からも「メニューに加える」との返事があり、販路も整ってきた。

 新湊漁協も取り組みを後押しする考えで、8月中旬には射水市のブランド商品開発等支援補助金の交付も決まった。今後はタグを付けるワタリガニの規格を決めたり、資源を守るための漁期を設定したりと細かい点を詰める。

 新湊では、8月中旬から約1キロの個体が捕れ始めている。東海会長は「需要拡大は漁師のやりがいにもつながる。『ワタリガニといえば射水』と言われるよう頑張りたい」と話している。

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