佐久地方で、秋の味覚として親しまれている小ブナの水揚げと販売が最盛期を迎えている。台風18号が接近し雨が降り続いた9日午前も、佐久市桜井の水田で水揚げがあり、同市三塚の佐久浅間農協さく南部営農センターは小ブナを求める客でにぎわった。
この日は、同市桜井の臼田義之さん(80)の水田で育った小ブナを、地引き網の手法で水揚げ。数人がかりで網を引くと、ピチピチと跳ねる小ブナが姿を見せた。小ブナは一度池に移し、翌日、営農センターへ出荷する。臼田さんは「順調に育って大きさもいい。収量は去年より多いかな」と満足そうだった。
営農センターは午前9時から小ブナを販売。雨の中、多くの客が列をつくった。1キロ1950円(税込み)で、6キロ買っていく人も。連日の雨で収量が少なかったこともあり、40分ほどで完売した。笹崎澄雄さん(61)=南佐久郡佐久穂町=は前日に2キロ買ったが、足りなくなってこの日も1キロ購入。「甘露煮はうまいよ。今しか食べられないしね」と話していた。
水揚げは9月中旬、販売は同下旬ごろまで続く。