湯沢さんが栽培したリンゴ「サンふじ」を原料に醸造したワイン

湯沢さんが栽培したリンゴ「サンふじ」を原料に醸造したワイン

長野県 伊那路

「ワインの町」目指して 松川町が特区申請を予定

信濃毎日新聞(2015年9月19日)

 下伊那郡松川町でリンゴを原料にしたワインの生産が広がっている。町内のリンゴ農家でつくる「南信州松川りんごワイン振興会」が昨年末に発足し、メンバーはそれぞれ醸造を委託・販売。7月には初の共同開発によるシードル(リンゴの発泡酒)を発売した。町も後押ししようと「ワイン特区」の国への申請を来年1月に予定。県などによると、認定を受ければ、広域特区での認定も含めて県内で12市町村目となり、地域の活気につなげる狙いだ。

 酒税法上、ワインなどの果実酒やリキュールの製造免許の取得には最低製造量として年間6千リットルの醸造が必要だ。「ワイン特区」では、果実を原料にした果実酒は2千リットル、リキュールは1千リットルに緩和され、小規模ワイナリー(ワイン醸造所)が開業しやすくなる。町は、農家民宿や農家レストランが最低製造量の制限なく果実酒の製造・販売をできる特区の認定も目指す。

 2012年から町内でいち早くワイン造りをするリンゴ農家、湯沢秀樹さん(38)=大島=は、今年も700本のワインを販売している。湯沢さんの農園では、ひょう害などで傷が付いて生食用に販売できないリンゴは例年2割ほど。ワインに加工して販売すれば、「(生食の)贈答用リンゴの販売額に匹敵し、ジュースよりも付加価値はかなり上がる」と話す。

 振興会のメンバーは、地元の醸造会社「信州まし野ワイン」にワインの醸造をそれぞれ委託し販売。これ以外に、個人消費用にワイン造りを委託する町内農家は50軒を超える。振興会長の北沢公彦さん(50)=大島=は、ワイン造りに興味を持つ農家は多いとみる。特区に認定されれば、ワイン醸造のために農家3、4軒ごとに組合法人を立ち上げることを検討。町内でワイナリーを巡るツアーの開催も構想している。

 北沢さんは、さっぱりとした味わいで、魚や肉、刺し身、すしなどにも合うリンゴを原料にしたワインの特色をPRしたい―と強調。「農家ごとに味の違うワインで観光客を呼び込めるようにしていきたい」と意気込んでいる。

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