理科室だった部屋に作品を配置する三隅さん=旧富山市小羽小学校

理科室だった部屋に作品を配置する三隅さん=旧富山市小羽小学校

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空間生かした意欲作続々搬入 10月、神通峡美術展

北日本新聞(2015年9月26日)

 10月3日に富山市大沢野地域で開幕する「トリエンナーレ2015年公募・神通峡美術展」の作品搬入が25日始まり、県内外の作家が「平面」「立体」「インスタレーション」の3部門で、会場に作品を運び込んだ。インスタレーション部門の会場となる旧富山市小羽小学校では、趣ある木造校舎の空間を生かした意欲作が次々に現れた。

 神通峡美術展は、旧大沢野町が1991年に始めた。合併後も3年に1回開かれていたが、今秋の9回展を最後に18年度から市美術展に統合される。中部9県から作品を募るほか、同展実行委員会が選抜した県内外の作家9人と1グループが委嘱出品する。

 25日は、作家が各会場に作品を持ち込み、組み立て作業も行った。旧小羽小では紙や絹糸といった素材を使った作品が運び込まれた。

 委嘱作家の三隅摩里子さん(富山市)は理科室だった部屋で、弧を描くようにプラスチックの板と板紙を幾層にも重ね合わせた作品を配置。プラスチック部分を通して見える光のさまざまな表情を演出する。「テーマは境界。最後の美術展にふさわしい区切りとなる表現をしたい」と話した。

 搬入は26日まで。平面部門は市大沢野文化会館、立体部門は市猿倉山森林公園芝生広場で展示する。27日に美術評論家で世田谷美術館長の酒井忠康さん、彫刻家で筑波大名誉教授の篠田守男さん、洋画家で東京芸術大名誉教授の絹谷幸二さんが審査する。

 神通峡美術展は10月3日~16日。主催は富山市と北日本放送、実行委、大沢野芸術文化協会、北日本新聞社。

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