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思い醸したこだわりの酒 小海・上田・千曲の酒店と佐久の蔵元タッグ

信濃毎日新聞(2015年9月26日)

 小海町、上田市、千曲市の酒店3店が、独自に企画した日本酒「信州醸熱タンク」を10月1日に発売する。蔵元に新たな挑戦をしてもらおうと、540リットルの醸造タンク1本分の酒を丸ごと買い取る手法で今年から始め、これまで発売した活性生酒や無ろ過生原酒は1週間ほどで売り切れているという。10月発売の新作は、瓶に詰めてから湯煎で加熱する「瓶火入れ」という製法の酒だ。

 3店は、小海町の「酒舗清水屋」、上田市の「地酒屋宮島酒店」、千曲市の「酒乃生坂屋」。醸造は佐久市の酒造会社「古屋酒造店」に依頼した。同社の醸造責任者の荻原深さん(37)によると、通常は1種類の酒米を使うことが多いが、「ひとごこち」と美山錦の2種類を使い、精米具合にもこだわった。みずみずしく爽やかな味わいが特徴という。ラベルも醸造タンクのようにする工夫を凝らした。

 3店は、飲みごろの県内地酒を消費者に届ける企画を続けている。「消費者に蔵元のブランドを知ってもらいつつ、自分たちも醸造過程に理解を深めたプライベートブランド、ラベルの日本酒を造りたかった」と宮島酒店店主の宮島国彦さん(48)。

 清水屋の店主小山英浩さん(50)は「タンク1本の買い取りなので、はけさせなければいけないリスクはあるが、お客さんの反応はいい」と手応えを口にする。酒乃生坂屋の若林数矢さん(45)は「蔵元の挑戦を応援したい」とし、3店は再び古屋酒造店に依頼して、今冬もこだわりの日本酒を仕込む予定だ。

 10月から販売する日本酒は720ミリリットル入り1350円、1800ミリリットル入り2700円(ともに税別)。問い合わせは清水屋(電話0267・92・2044)、宮島酒店(電話0268・72・4039)、酒乃生坂屋(電話026・272・0143)へ。

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