地元ガイドの案内で北向観音を見学するレッティさん(右から2人目)とミンチェンスさん(同3人目)=27日

地元ガイドの案内で北向観音を見学するレッティさん(右から2人目)とミンチェンスさん(同3人目)=27日

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外国人の立場で別所温泉見直す 海外誘客へ、モニターツアー

信濃毎日新聞(2015年9月29日)

 上田市別所温泉へのインバウンド(海外誘客)を図ろうと1泊2日のモニターツアーが27、28日、現地で開かれた。県の「インバウンド受入地域拡大事業」の一環で、業務を受託する民間シンクタンク「SCOP(スコップ)」(松本市)が実施。主な名所を見て回り、それを基に地域の魅力や課題を地元観光関係者らと話し合った。ツアーを機に、外国人の受け入れ態勢の整備が活発になると期待されている。

 ツアーにはスコップの研究員らに加え、カナダ出身のコンサルタント、ビル・レッティさん(51)=上田市芳田=とオランダ出身の英会話講師シャーク・ミンチェンスさん(29)=松本市旭=の2人が参加した。

 初日は別所温泉駅をスタートし、地元ガイドと共に北向観音や常楽寺、安楽寺を見学。安楽寺にある国宝八角三重塔を見たり、土産店でつくだ煮を味わったりした。北向観音までの距離などを示す案内板を見て「外国人にはメートルよりもヤードの方が分かりやすい」と改善点を指摘する声も上がった。

 28日は、ツアー参加者が地元の旅館関係者や市の職員らを交えて話し合った。「別所温泉はコンパクトな町だが質の高い施設がある」と評価する意見の一方で、ミンチェンスさんは「宿泊施設のホームページが英語に対応していても、現地に来ると看板には日本語しか書いておらず、到着しても分からないことがある」と指摘。外国人に向けて発信すべき地域の魅力や受け入れる際の課題などについて積極的に意見交換した。

 別所温泉旅館組合企画部長で、上松屋旅館副社長の倉沢晴之介さん(35)も話し合いに参加。「各旅館が独自で受け入れ態勢を整えても、外国からの観光客は来ない。町全体で取り組まなければいけない。今日は外国人の目線が共有できたので良かった」と話した。

 この事業では今後、別所温泉を英語で紹介するパンフレットを作る予定だ。

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