福井県福井市一乗谷の城下町の様子を再現したコンピューターグラフィックス映像

福井県福井市一乗谷の城下町の様子を再現したコンピューターグラフィックス映像

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戦国大名朝倉氏繁栄をCGで再現 10月2日まで 一乗谷朝倉氏遺跡資料館

福井新聞(2015年9月30日)

 1506(永正3)年、戦国大名朝倉氏が朝廷絵師の土佐光信に描かせた屏風(びょうぶ)は、現存しないものの、「洛中洛外図」の初例とされる。朝倉氏がこの絵を求めたのは、都の景観を手本とし、自らが理想とする都市を一乗谷に建設しようとする思いがあったからかもしれない。福井県福井市の県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館で開催中の特別展「一乗谷 戦国城下町の栄華」では、半世紀近くに及ぶ発掘調査の成果物の展示とともに、16世紀当時の一乗谷の城下を洛中洛外図風に再現した映像を公開。都の景色に勝るとも劣らぬとうたわれた栄華の実像に迫っている。

 京都在住の公家だった三条西実隆の日記「実隆公記」(重要文化財)の1506年12月22日の条には、3代朝倉貞景が光信に依頼した京中図を、実隆が鑑賞したことが書かれている。実隆はこの屏風を一見し、珍しく、面白い作品であると記した。これが「洛中洛外図」の初例とされている。

 特別展では、実隆公記と併せて、現存する最古のもので北陸初公開となる室町後期の「洛中洛外図屏風(歴博甲本)」(重要文化財・国立歴史民俗博物館所蔵)を10月2日まで特別展示している(3日以降は複製品を展示)。土佐派の作とみられ年代的にも近いことから、朝倉氏が描かせた屏風がイメージできる。

 同館の宮永一美主任は「一乗谷の町屋の規則的な区画など、京都の街並みと共通点が見られる」と話す。洛中洛外図を参考に一乗谷の城下町が整備されたかどうかは不明だが「現在残る区画ができたのは1500年代で、ちょうど時期が重なる。多くの公家が訪れ、最新の文化や品物を持ち込んでくる中で、京都への憧れがあったのだろう」と推察する。

 こうした絵図や遺跡の発掘調査を元に、一乗谷の城下町を、六曲一隻の屏風に見立てた横約3・6メートル、縦約1メートルのテレビモニターの映像で再現した。コンピューターグラフィックスで描かれた人物が市中を歩き回るなど、これまで紹介されてきた復元図や模型などと比べ、当時の活気ある暮らしぶりが、臨場感たっぷりに伝わってくる。

 同展ではこのほか、後に室町幕府最後の将軍となる足利義昭を招いて行われた華やかな饗応の様子、西山光照寺跡から出土した輸入陶磁器・什器など、都市のにぎわいと繁栄を物語る多彩な調度品、生活用具、職人の道具といった遺物などを紹介している。

 宮永さんは「(現存する)洛中洛外図屏風は、一乗谷の都市生活を実際に復元していく上で、欠かすことのできない絵画資料。最古の絵図や映像を通して一乗谷の最盛期の繁栄の様子を、具体的にイメージしてもらえれば」としている。

 同展は、朝倉氏遺跡の国の特別史跡指定45年記念として11月8日まで開催。観覧料は一般500円、高校大学生400円、小中学生300円。問い合わせは同館=電話0776(41)2301。

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