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明治の風刺雑誌見て 戸出文化祭で公開

北日本新聞(2015年10月15日)

 高岡市戸出地区の生涯学習団体「戸出を知る会」(山本繁行学級長)は11月2、3日に市戸出コミュニティセンターで開かれる文化祭で、同地区が保管する明治期の時局風刺雑誌「團團珍聞(まるまるちんぶん)」40冊を初公開する。国立国会図書館に多くの現存蔵書があるが、県内では県立図書館の1冊のみ。明治期の世相を映す貴重な史料とされる。 (高岡支社編集部・熊谷浩二)

 團團珍聞は1877(明治10)年から1907(同40)年まで発行された週刊誌。藩閥政府を皮肉って人気を集め、戦時中は戦争画報として戦況や敵国を風刺した。

 戸出地区の團團珍聞は04、05(同37、38)年に発行されたもので、日露戦争の時期と重なる。1冊32ページ余りで表紙はカラー刷り。社説に当たる「茶説」から始まり、戦時小説や狂歌などを掲載している。

 ロシア軍をやゆする内容が多く、怪談風の読み物「戦勝百物語」には「露兵が怖がる一つ目小僧」と題して目が日の丸の国旗になっている妖怪や、ろくろ首をもじった「露苦露首」が登場。卑屈と書かれた靴の前でひざまずく兵士を描いた表紙もある。

 戸出を知る会は本年度、近代をテーマに学習しており、郷土史「戸出史料」の目録で團團珍聞を見つけ、市戸出コミュニティセンターで現物を確認した。和雷道史(わらいどうし)という人物が寄贈したとされるが詳細は不明。團團珍聞に「賣薬廣告(ばいやくこうこく) 越中 和雷道史」の記述があり、同一人物の可能性がある。

 山本学級長は「時代を物語る風刺画を多くの人に見てもらいたい」と話す。

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