中川課長(手前)の解説を聞きながら、展示替えが迫る「唐土勝景図巻」に見入る来場者たち=県水墨美術館

中川課長(手前)の解説を聞きながら、展示替えが迫る「唐土勝景図巻」に見入る来場者たち=県水墨美術館

旅に生きた巨匠たち展の展示替え迫る 県水墨美術館

北日本新聞(2015年10月18日)

 県水墨美術館で開催中の企画展「旅に生きた水墨画の巨匠たち-雪舟から等伯へ」には、作品保護のため展示期間が限定された貴重な逸品が数多く並ぶ。17日に行われたギャラリートークでは、担当学芸員が今月下旬に展示替えが迫る作品を中心に解説。来場者は名残惜しむように、雪舟ならではの筆致を目に焼き付けた。11月8日まで。

 会場には、室町時代に活躍した雪舟を軸に、その流れをくむ雲谷(うんこく)派、狩野派と競った桃山時代の絵師、長谷川等伯らの作品を展示。中国から伝来した水墨画が日本独自の表現に達する過程をたどれる44点を前後期に分けて紹介する。23日と25日の閉館後に計14点を入れ替える。

 ギャラリートークでは、同館の中川美彩緒(みさお)学芸課長が会場の一点一点を解説した。23日で展示が終わる重要文化財「倣玉澗山水図(ほうぎょくかんさんすいず)」では「雪舟ならではの表現が生きる代表的な作品。アクションペインティングさながらに墨を注いで描いている」と説明した。

 雪舟が中国の風景を実際に目にして筆を手にした「唐土勝景図巻(とうどしょうけいずかん)」も23日までの展示。長さ7メートルにも及ぶ絵巻で、船上から眺めた運河沿いの風景をスケッチしている。中川課長は「位置関係などにつじつまの合わない部分もあるが、丁寧な描写から現地の風景を描き留めようという意思が伝わってくる」と強調した。

 来場者はガラスケースに顔をくっつけるようにして、展示替えが迫っている作品に見入った。氷見市柳田のアルバイト、池田慎玄さん(37)は「力強い線もあれば、穏やかな表現もある。水墨画の奥深さが伝わる貴重な企画展」とゆっくり会場を巡った。富山市布瀬町の野村重三さん(74)は「水墨画の原点はやはり雪舟。後期も来場したい」と笑顔を見せた。

 同展は26日のみ休館。県水墨美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会が主催。

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