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東山魁夷作品で木曽応援 御嶽山麓12カ所で31日から版画展

信濃毎日新聞(2015年10月20日)

 県信濃美術館・東山魁夷館(長野市)などは31日から、御嶽山噴火災害の影響を受けた山麓の観光業を支援しようと、一帯の公共施設など12カ所で、日本画家東山魁夷さん(1908〜99年)の版画展を開く。同館によると、御嶽山は東山さんが信州の風景に引かれるきっかけとなった場所といい、計120点余を展示する予定だ。

 同館によると、東山さんは東京美術学校(現東京芸大)1年の夏、初めて県内を訪れ、御嶽山へ登った。友人と旅した10日間を「山国の自然の厳しさに強い感動を受けると共に、そこに住む素朴な人々の心の温かさに触れることが出来た」と振り返り、同館に文章を寄せている。

 東山魁夷館は、信州の自然を愛した東山さんが県に寄贈した作品を展示するため、1990年に開館。同館は、東山さんが御嶽山を訪れたことがきっかけで信州を描いた作品が生まれ、同館の設立に至ったとし、噴火災害に遭った地域の誘客につなげようと開館25周年事業の一環として企画した。

 塩尻市と木曽郡、岐阜県中津川市の計12施設に所蔵品を展示。北佐久郡軽井沢町を取材して描いた「秋径(しゅうけい)」などの作品を予定している。同館学芸員の梨本有見さん(30)は「作品が人々の『心の復興』につながればうれしい」と話している。

 版画展は県信濃美術館・東山魁夷館、県文化振興事業団、信濃毎日新聞社の主催。期間は11月30日までで、一部の施設では展示期間が異なる。入場料が必要な施設もある。問い合わせは同館(電話026・232・0052)へ。

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