渡辺千秋が所有していたびょうぶ。西郷隆盛や吉田松陰筆とされる書簡が貼ってある

渡辺千秋が所有していたびょうぶ。西郷隆盛や吉田松陰筆とされる書簡が貼ってある

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西郷隆盛や吉田松陰筆とされる書簡 岡谷で寄贈の資料公開

信濃毎日新聞(2015年10月22日)

 岡谷市長地柴宮の郷土学習館の運営委員会は23〜25日、同市出身で明治、大正期に宮内大臣を務めた渡辺千秋(1843〜1921年)の子孫から寄贈された資料を同館で初公開する。西郷隆盛や吉田松陰筆とされる書簡を貼ったびょうぶが目玉で、幕末や明治の息吹が感じられる。

 渡辺家は千秋のほか弟の国武、千秋の三男千冬も明治から昭和にかけて大臣を経験した。郷土学習館は3人の功績などを紹介。千秋の子孫から5年ほど前に大量の資料を寄贈され、研究を進めてきた。

 運営委によると、びょうぶは明治初期に鹿児島県令(知事)を務めた千秋が所有し、高さ約1・5メートル、幅約3メートル。西郷筆という書簡は1875(明治8)年に部下に宛てたとみられ、日本軍が朝鮮軍と交戦した「江華島事件」をめぐり政府の対応を批判する内容だ。松陰の書簡は、獄中から後に群馬県令となる小田村伊之助(楫取素彦(かとりもとひこ))に送ったもの。小田村は松陰の妹の夫で、現在放送中のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」にも主要人物として登場している。

 展示は約200点の予定。昨年見つかった千秋らの父斧蔵(おのぞう)が描いた落款入りの絵画も並ぶ。開館時間は午前9時〜午後5時。無料。問い合わせは郷土学習館(電話0266・26・7545)へ。

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