展示替えで雪舟が描いた重要文化財の「倣梁楷黄初平図」を飾り付けるスタッフら=県水墨美術館

展示替えで雪舟が描いた重要文化財の「倣梁楷黄初平図」を飾り付けるスタッフら=県水墨美術館

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貴重な4点登場 「雪舟から等伯へ」展示替え

北日本新聞(2015年10月24日)

 県水墨美術館で開催中の企画展「旅に生きた水墨画の巨匠たち-雪舟から等伯へ」は23日、閉館後に展示作品の一部を入れ替え、重要文化財「倣梁楷黄初平図(ほうりょうかいこうしょへいず)」や、「国々人物(くにぐにじんぶつ)図巻」など雪舟の貴重な作品を含む4点が新たにお目見えした。24日から公開する。

 中川美彩緒(みさお)学芸課長の指示で、スタッフらが軸や画巻を慎重に飾り付けた。「倣梁楷黄初平図」の展示では、照明を入念にチェックした。雪舟が南宋の画家、梁楷に倣って描いた作品で、京都国立博物館の所蔵品。日本の人物画に大きな影響を与えたとされる「減筆体」を用いており、勢いのある墨線がよく分かるよう、光の当て方を工夫した。

 雪舟が中国で出会った人物や動物のスケッチを基にした画巻「国々人物図巻」や、墨を直接紙に注ぐ雪舟得意の「溌墨(はつぼく)」の画法を用いた「山水図」、雪舟の流れをくむ長谷川等伯の「愛宕権現(あたごごんげん)像」も新たに飾られた。

 26日の休館日にも展示替えがあり、等伯の重要文化財「船子夾山図(せんすかっさんず)」など8点は25日で見納めとなる。中川学芸課長は「後期も見どころは多い。大勢の方に楽しんでもらいたい」と話す。

 企画展は、室町時代に活躍した雪舟を軸に、その影響を受けた絵師らの作品がそろう。同美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会が主催。11月8日まで。

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