昨年11月の地震で被災した家屋のはり(後方)や住宅の模型が並ぶ企画展会場

昨年11月の地震で被災した家屋のはり(後方)や住宅の模型が並ぶ企画展会場

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被災地域、歴史の重み知る 地震から1年、長野で企画展

信濃毎日新聞(2015年10月24日)

 長野市立博物館(小島田町)は24日、県北部で昨年11月22日に起きた地震で被害を受けた地域の歴史を伝える企画展「救い出された地域の記憶〜神城断層地震から一年〜」を始める。同市鬼無里地区や白馬、小谷村の住宅や寺社に残されていた民俗道具や仏像のほか、江戸期の住宅構造などを紹介する。

 同博物館と、市内外の建築家や研究者らでつくる「被災建物・史料救援ネット」が主催する。ネットメンバーらは、地震直後から壊れた住宅や土蔵を調査し、解体前に約50件の間取り図を書いて記録する一方、被害を受けた寺社から仏像を運び出して保管する取り組みをしてきた。

 地震発生から1年を迎えるのに合わせて企画した。展示する江戸期の住宅の太さ約20センチの梁(はり)は、地震の揺れを緩和することにつながったという。信州大工学部(長野市)建築学科の梅干野成央(ほやのしげお)准教授(36)のゼミ生が制作した民家や土蔵の模型を並べる。

 鬼無里地区にある市指定有形文化財「土倉文珠(もんじゅ)堂」の本尊など文化財約40点も展示。被災した家屋などの間取り図や被災状況を伝える写真もパネルで紹介する。

 ネットメンバーの建築家長谷川順一さん(54)=新潟市=は「地域の人々が残してきた物から、大切にしていた信仰心や日々の営みが見えてくる」と話している。

 24日午後2時、ネットのメンバーや同館学芸員らによる講演がある。企画展は12月6日まで。入館料は大人300円、高校生150円、小中学生100円。月曜休館。

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