展示替えで新たにお目見えした等伯の「商山四皓図」をチェックする中川学芸課長(右)らスタッフ=県水墨美術館

展示替えで新たにお目見えした等伯の「商山四皓図」をチェックする中川学芸課長(右)らスタッフ=県水墨美術館

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等伯の大作ふすま絵登場 「雪舟から等伯へ」後期展

北日本新聞(2015年10月27日)

 県水墨美術館で開催中の企画展「旅に生きた水墨画の巨匠たち-雪舟から等伯へ」は26日、会期中2度目の展示替えを行い、27日からの後期展の準備を整えた。「雪舟五代」を名乗った桃山時代の絵師、長谷川等伯の重要文化財「商山四皓図(しょうざんしこうず)」など新たに7点がお目見えする。

 23日に続いての作業で、前回の4点を含め、会場の3分の1近くの作品が入れ替わった。中でも等伯の「商山四皓図」は8面からなる大作のふすま絵で、南禅寺(京都)の塔頭(たっちゅう)、天授庵の方丈を飾った水墨画。山中を行く隠士一行を64歳の等伯が描いた。小気味よい運筆で松や岩を描きつつ、横へ横へとダイナミックに展開する画面は、等伯水墨の到達点を示すとされる。

 このほか、重要美術品で雪舟の作と伝えられる「琴棋書画図屏風(きんきしょがずびょうぶ)」や、室町から桃山時代にかけて活躍した画僧、雪村周継の「瀟湘八景図(しょうしょうはっけいず)屏風」などの大作が飾られた。雪舟以後の流れを伝える第2展示室は、壁面の半分以上が新しい作品となり、前期とは異なる雰囲気となった。

 中川美彩緒(みさお)学芸課長らスタッフは、雪舟が後世の絵師にどんな影響を与えたか分かるよう作品の順番に気を配り、画面の陰影が映えるよう照明を工夫。後期展の開幕に備えた。中川学芸課長は「等伯のふすま絵は線に迷いがない晩年の傑作。他も名品ぞろいで一度会場を訪れた人でも新鮮な気持ちで見てもらえるはずだ」と話した。

 企画展は「画聖」と呼ばれた雪舟をメーンに、彼の影響を受けた絵師らの代表作と合わせて30点をそろえ、日本の水墨画が確立するまでの流れをたどった。11月8日まで会期中無休。

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