渦巻き模様などが施された縄文土器

渦巻き模様などが施された縄文土器

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縄文人の感性触れて 中野市立博物館、出土品の企画展

信濃毎日新聞(2015年11月11日)

 中野市立博物館は、中野市豊津にある縄文中期の千田遺跡の出土品を中心に並べた企画展「縄文土器―5000年の生命―」を開いている。同博物館によると、千田遺跡の土器、土偶、石器の出土量は、長野市以北の北信地域にある縄文時代の遺跡では最大規模。展示物からは、中野市の千曲川流域で花開いた縄文人の豊かな感性が感じられる。

 千田遺跡を中心に出土した土器や土偶、石器約300点が並ぶ。料理の煮炊きなどに使ったという縄文土器の鍋には渦巻き模様が施され、開口部には上部に突きでた装飾がある。土偶は割れて顔や胴、足などに分かれた状態で展示。木を切る「磨製石斧(せきふ)」ややじりなどの石器も目を引く。

 千田遺跡は千曲川左岸にある約5千年前の縄文中期の集落跡。築堤事業に伴い、県埋蔵文化財センター(長野市)が2002〜07年度に発掘調査をした。県は今年8月に出土品を中野市に移譲し、同博物館がこれを機に展示した。

 千田遺跡近くの千曲川流域には、南大原遺跡や姥(うば)ケ沢遺跡、栗林遺跡など縄文時代の遺跡が集中している。館長の土屋積(つもる)さん(63)は「5千年前の人々の感性を感じ取ってもらいたい」と話す。

 企画展は12月20日まで。火曜休館。午前9時〜午後5時(12月は午前10時〜午後4時)。入館料は一般200円、高校生100円。

 同センター職員による講演会(聴講のみ無料)もあり、11月22日には綿田弘実さんが「千田遺跡の調査」、12月6日には水沢教子さんが「北信の縄文時代」と題して話す。ともに午後1時半から。

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