観光放水する黒部ダム。関電トンネルトロリーバスの利用者は、ことし100万人に到達する見通し=6月

観光放水する黒部ダム。関電トンネルトロリーバスの利用者は、ことし100万人に到達する見通し=6月

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関電トロリーバス利用者5年ぶり100万人へ

北日本新聞(2015年11月19日)

 関西電力が、立山黒部アルペンルートの黒部ダム~扇沢(長野県大町市)間で運行する関電トンネルトロリーバスの年間利用者数が、5年ぶりに100万人に到達する見通しとなった。一方、算出方法が異なる立山黒部貫光(富山市桜町、佐伯博社長)は、10月末時点の入り込み客数が前年同期比10%増の約96万人と、100万人へ「あと一息」の状況。同社は運賃を2割引きにするキャンペーンを展開し、30日の営業終了まで大台達成へ全力を注ぐ。

 関電トンネルトロリーバスの利用状況は、関電黒四管理事務所と大町市プロモーション委員会事務局が明らかにした。

 同事務局などによると、トロリーバス利用者は1968~2010年、新潟県中越沖地震が発生した07年を除いて毎年100万人を突破。だが、東日本大震災が発生した11年以降は80~90万人台が続いていた。担当者は「ことしは7年に1度の善光寺の御開帳や北陸新幹線の開業が寄与した」と話す。100万人到達は、20日を見込む。

 これに対し、立山黒部貫光は現在、2010年以来5年ぶりとなる100万人達成へ、最後の追い込みを図っている。同じアルペンルートにもかかわらず数字が異なるのは、関電と立山黒部貫光では、往復乗車券利用者の計算方法が違うことが要因。関電は往復乗車券で行き・帰りに乗車した人を「2人」と数えるのに対し、立山黒部貫光では往復乗車券の利用者を「1人」として扱っているためだ。

 立山黒部貫光によると、今シーズンの入り込み客数は、北陸新幹線の開業効果や外国人客の増加に伴い、10月末の時点で、既に昨シーズンの90万9千人を上回った。個人客の伸びが大きく、特に外国人個人客は前年同期比65%増となった。

 だが、11月はやや苦戦している。例年、この時期になると室堂周辺は初滑りを楽しむスキー客らでにぎわうが、ことしはほとんど雪がないためだ。立山黒部貫光は、公式サイトから印刷したチラシを持参すると乗車券が2割引きとなるキャンペーンを今月末まで実施し、100万人到達を目指す。同社は「条件が整えば『ダイヤモンドダスト』や樹氷の一種『エビの尻尾(しっぽ)』を見ることができる。この時期に室堂周辺を気軽に散策できるのは貴重であり、ぜひ足を運んでほしい」とアピールしている。
(経済部次長・高松剛)

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