パノラマ展望台での風景を楽しむツアーの参加者

パノラマ展望台での風景を楽しむツアーの参加者

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黒部峡谷パノラマ展望ツアー 1万人突破

北日本新聞(2015年11月20日)

 今シーズンから始まった黒部峡谷パノラマ展望ツアーの参加者が10月末現在、1万人を突破した。北陸新幹線の開業効果で順調なスタート。日頃見られない関西電力の施設や北アルプスの風景を楽しめるコースは、県内外から訪れた観光客の満足度が高い。運営する欅平(けやきだいら)パノラマ新周遊ルート運営協議会(会長・中谷黒部市副市長)は来シーズン以降、さらに受け入れ体制を充実し、参加者増加を狙う。

 ツアーは北陸新幹線開業後の目玉観光商品として、運営協が企画。黒部峡谷鉄道欅平駅まで、トロッコに乗って峡谷美を満喫した後、さらに奥にある関西電力の施設に入る。竪坑エレベーターに乗って高低差200メートルを一気に上昇。トンネルを通り、北アルプスに囲まれたパノラマ展望台まで登山道を歩く。

 今シーズンは大雪の影響でトロッコの全線開通が約20日間遅れたことから、5月8日の予定だったツアー開始は29日までずれ込んだ。出足は鈍かったが、その後の本格的なPRや新幹線の開業効果で、7月ごろから参加者が増え、夏休みシーズンの8月や紅葉の10月は好調だった。10月末現在で1万756人に上り、11月末のシーズン終了までには約1万2千人に達するとみられる。

 運営協議会を構成する黒部・宇奈月観光局は「初年度で知名度が低く、出足が遅れたことを考えれば、上々の滑り出しではないか」と話す。参加者からは、黒部川電源開発の一端に触れることができたことや、美しい自然の景観を見ながら歩いた体験に高い評価を受けている。

 今シーズンは宇奈月温泉での宿泊とセット販売になっていた。観光局は1泊だけを想定していたが、連泊した参加者もいたとし「滞在型の観光商品としても魅力的であることが分かった」と手応えを感じている。

 しかし、年間約2万人以上の受け入れが可能なことから、さらに誘客が必要。特に、1日4便あるうち午前11時台に出発する最終便の利用が少ない。運営協は来シーズン以降、宇奈月温泉での宿泊を優先しつつ、空きがある便については、日帰りや他の宿泊地を利用する観光客も柔軟に受け入れることを検討する。また、今シーズンの出遅れに伴う影響を教訓に、ツアー開始は6月ごろを予定している。

 中谷副市長は「参加者の声を分析し、ニーズに合った運営で来年度以降の誘客に努めたい」と話した。

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