昭和の子どもたちが黒板に描いた落書きを記録した写真展

昭和の子どもたちが黒板に描いた落書きを記録した写真展

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黒板は自由なキャンバス 阿智で落書き絵の写真展

信濃毎日新聞(2015年11月28日)

 阿智村昼神温泉郷の熊谷元一写真童画館は、1950年代に子どもたちが黒板に描いた落書きを記録した「黒板落書き絵の記録写真展」を開いている。同村の旧会地小学校で教員をしていた熊谷元一さん(1909〜2010年)は、子どもたちが休み時間に自由に描けるよう、黒板を「開放」。その一つ一つを熊谷さんが写真に収めたものだ。動物やお化け、風景など黒板いっぱいに広がる絵が、訪れる人を楽しませている。

 1953(昭和28)年に入学した子どもたちが3年間に描いた絵を中心に、44点が飾られている。黒板に描いた一人で、日本大芸術学部非常勤講師の下原敏彦さん(68)=千葉県船橋市=によると、黒板の「開放」は、放課後に誰かが大きな鳥の絵を描き残したのがきっかけだという。図工の授業で描く絵と違い、気負わず伸び伸び描かれた絵に、熊谷さんは「仲良く使うこと」を約束事にし黒板を子どもたちのものとしたという。

 当時どこの家でも飼っていた馬や牛、子どもたちの憧れの飛行機や電車のほか、お化け、鬼、怪獣などの「怖いもの」を描いた絵が多く見られる。書き手は男児が多く、雨の日など校庭が使えない日は黒板が格好の遊び場に。絵を描く様子も撮影されている。

 下原さんは「学校では今でも、子どもが黒板を自由に使うことはまれだと聞く。60年も前の試みとはすごい。誰にも落書きした思い出があると思うが、懐かしく見てもらえればうれしい」と話す。

 企画展は来年3月7日まで。火曜定休。一般350円。

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