寒天を干し場に並べる「天出し」作業

寒天を干し場に並べる「天出し」作業

長野県 蓼科・八ヶ岳・諏訪 特産

角寒天「天出し」伝統の冬景色 茅野で作業始まる

信濃毎日新聞(2015年12月11日)

 諏訪地方特産の角寒天作りの季節を迎えた。茅野市宮川の製造会社イチカネトは10日、生寒天を野外に並べ、天日にさらす「天出し」を始めた。来春に諏訪大社御柱祭を控えた今季は、例年よりやや多めの70万本を生産予定。厳しい寒さと乾燥した天候を生かし、来年2月上旬まで作り続ける。

 北海道や東北地方などから出稼ぎに訪れる人たちを含む10人が作業。むしろを敷いた板に、海藻の煮汁を固めたぷるぷるとした生寒天を並べた。凍った時に形が崩れないよう、無数の針が付いた板を押し当て、表面に小さな穴を開ける。凍結と氷解を繰り返し、約2週間で水分が抜けた白い角寒天になるという。

 角寒天は、寒天寄せなど地域のもてなし料理にも多く使われ、御柱年には需要増加が見込まれる。社長の五味嘉江さんは「もう少し冷え込みが厳しくなってからが本番。天候に恵まれたシーズンになるといい」と話した。

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