来年のえとの猿を撮影して年賀状に使おうと、温泉に漬かるニホンザルで知られる下高井郡山ノ内町の地獄谷野猿公苑が観光客でにぎわっている。好天に恵まれた12日も家族連れなどが訪れ、温泉の周りでくつろぐ猿を楽しそうに写真に収めていた。
この日は温泉に漬かる猿はほとんどいなかったが、温泉内にまかれた餌を食べるために猿がお湯に入ると、観光客が盛んに撮影。子猿を背負った猿が行き来すると「かわいい」と歓声が上がった。
家族3人で訪れた神奈川県横須賀市の自営業戸田聡さん(46)は三脚に据えたカメラで、毛づくろいする姿を撮影した。家族の写真と合成して年賀状にするといい、「帰ってすぐに作ります」。長野市篠ノ井会(あい)の会社員赤尾健一さん(38)は今月上旬に続いて訪れ、「とにかくたくさん撮影して、いいショットを年賀状に使いたい」と話した。
同公苑には、「スノーモンキー」として知られる猿を見ようと大勢の外国人が訪れている。周辺には約160匹がすむが、今年は秋の交尾期の発情が盛んで、11月には半月以上も公苑に姿を現さず、山奥にいた。その後は来ており、寒さが厳しくなれば温泉に漬かるようになるという。
公苑の運営会社はこの冬、猿に恐怖感を与えるとして、スマートフォンを先端に付けて自分を撮影する「自撮り棒」の使用を禁止にしている。