包丁でおぼろ昆布をすく別所さん=17日、福井県敦賀市木崎

包丁でおぼろ昆布をすく別所さん=17日、福井県敦賀市木崎

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おぼろ昆布、熟練の極薄 敦賀・生産ピーク

福井新聞(2015年12月18日)

 国内最大の「おぼろ昆布」産地の福井県敦賀市で生産がピークを迎えている。作業場は連日大忙しで、職人が昆布をすく軽快な音が朝から晩まで響いている。

 昆布の加工技術は江戸時代、北前船を通じて同市に伝わった。現在市内に約200人の職人がいて、全国8割以上の生産量を誇っている。

 同市木崎の作業場では、酢のつんとした香りが立ちこめる中、この道57年の別所昭男さん(72)が昆布すきに精を出す。酢につけて柔らかくした北海道産昆布を左手と右足で押さえ、右手の専用包丁ですき取る。

 鋭い視線で手元を見つめて、息を止め「シャッ、シャッ」とテンポよく削る。ふわりと舞う昆布は、薄さ0・01ミリと光が透け和紙のよう。まさに職人技。口に入れると滑らかな口当たりで、溶けるようになくなる。作業は年内いっぱい続き、全国各地に出荷される。

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