観光客を人力車に乗せ、福井県大野市街地を案内している「越前こぶし組」のメンバーが２７日、人力車２台の大掃除を行った。今年１年活躍した労をねぎらいながら、汚れを落とした。

　越前こぶし組は１９９６年から人力車の運行を始め、現在２１人で活動している。２０年目の節目の年となった今年は１１月末までに計３５日運行し、４７組を乗せた。

　掃除は人力車を保管する同市明倫町の五番商店街の店舗で行った。メンバー９人が「力丸」「楽丸」の２台の座席や車輪、タイヤ回りなどを丁寧に拭き取った。

　続いて人力車の発着点となる同市元町の市観光協会に移動し、正月飾りを取り付けた。木の枝に、小判や繭玉に見立てたカラフルな飾り物や、「安全運行」「人力車で夢を乗せて」などの願いを書いた短冊を付け、建物内に設置した。

　朝日正幸組頭（６１）は「今年は２０周年イベントなど無事に終えて喜んでいる。これからの１０年を見据え、若いメンバーを誘いながら頑張っていきたい」と話していた。人力車の運行は来年３月の春分の日から再開する。