二つの蔵の間から見える小松長生さんの生家(奥)。改修して4月にレストランがオープンする=福井県坂井市三国町崎

二つの蔵の間から見える小松長生さんの生家(奥)。改修して4月にレストランがオープンする=福井県坂井市三国町崎

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指揮者小松さん生家レストランに 坂井市三国、改修し今年4月開業

福井新聞(2016年1月12日)

 福井県坂井市三国町崎にある世界的指揮者の小松長生さんの生家で、今年4月にレストランを開業する計画が進んでいる。日本海を望む高台に建つ古民家をスタイリッシュに改修し、国内外の旅行者の目的地となる「デスティネーションレストラン」を目指す。経営を担う、東京でフランス料理店を展開する同市出身の小川智寛シェフ(42)は「福井に新しい価値観を創造して地域を活性化させたい」としている。

 店名は「LULL(ラル)」。英語で「凪(なぎ)」を意味する。小川さんが小松さんから生家の活用を提案され、代表取締役COOを務める会社「マイナーリバーズ」でプロジェクトを立ち上げた。坂井市を通じて地方創生に関連する国の交付金の支援を受けている。

 北前船船主だった小松家は宮大工が手掛けた民家で、伝統的な建築様式が今も残る。県内各地でリノベーション物件を手掛ける福井市の建築士丸山晴之さん(44)の設計で改修を進めており、吹き抜け天井のダイニングエリアなどを設ける。敷地面積約450平方メートル。家屋と大小二つの蔵に囲まれた中庭があり、屋外のウッドデッキでも海を眺めながら食事を楽しめるようにする。

 料理コンセプトは「サーフ&ターフ」。フランス料理では通常別々に調理する海の幸と山の幸を合わせた斬新なメニューを提供する。クラシックやジャズのライブも定期開催する。小川さんは「海を渡って交流した多くの人々に思いをはせながら、おいしい料理で身も心も満たされる。遠くからでも足を運ぶ価値のある場所にしたい」と話している。

 ネット上で資金を集めるクラウドファンディングで、改修やワインの仕入れなど開業経費の支援を募っている。3千~10万円の支援額に応じて、ランチコース、小松さんのトークと生演奏付きのディナーコース、個室の無料使用などの特典がある。目標金額の100万円は既に達成したが、引き続き3月11日まで受け付けている。募集ページはhttps://www.makuake.com/project/minorrivers/

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