あわらの豪族・溝江一族を紹介する企画展=13日、福井県あわら市

あわらの豪族・溝江一族を紹介する企画展=13日、福井県あわら市

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豪族・溝江氏に迫る 甲冑や書状展示

福井新聞(2016年1月14日)

 中世から戦国時代にかけ旧金津町一帯を本拠地としていた豪族・溝江氏の歴史を紹介する企画展「中世あわらの豪族・溝江一族」が13日、福井県あわら市の郷土歴史資料館で始まった。修復作業を終えた市指定文化財の甲冑(かっちゅう)など約20点が並んでいる。

 溝江氏は旧金津町にあった溝江郷を本拠地とした。溝江の地名は奈良時代にはみられるが、溝江氏の名が史料に登場するのは室町時代の後半から。朝倉氏の家臣として溝江郷の代官を務め、加賀との国境を守る要として活躍した。

 同展は、溝江氏中興の祖・長氏(ながうじ)(生年不明~1600年)所有の甲冑とされ、傷みが激しく20年近く公開できなかった市指定文化財「朱銀振分塗伊予札(しゅぎんふりわけぬりいよざね)二枚胴具足」の修復が終わったことから企画した。会場にはほかに溝江氏の家紋「一ツ木瓜(もっこう)」が入った「溝江家家紋入旗幟(はたのぼり)」(市指定文化財)や、溝江館跡から出土した越前焼や加賀焼の破片なども展示している。

 1582年に、羽柴秀吉から越中魚津城攻めに参加している長氏へ送られた書状の複製も紹介。当時秀吉が備中高松城で行っていた水攻めの詳細をつづっており、親密ぶりが分かる内容になっている。朝倉氏の滅亡とともに没落した溝江氏の再興に、秀吉の存在があったことがうかがえる。

 また地元の画家故・志田弥広さんが描いた「金津城溝江落城之図」や「溝江長氏公想像図」も並んでいる。

 3月27日まで。3月21日を除く毎週月曜と、第4木曜、3月22日は休館。

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