越前和紙を使った造形作家長田和也さん(55)の個展「和紙による白の世界展」(福井新聞社後援)が31日まで、福井県福井市のギャラリーサライで開かれている。和紙の原料を絞り出す独特の技法で、繊細に表現したタペストリーやあんどん15点を披露している。
越前和紙の製紙所を営む長田さんは、30年ほど前から造形に取り組んでいる。
ふすま紙を作る際に模様を描く伝統技法で制作。紙の原料を器具で絞り出し形にする。縦2メートル、横3・4メートルのタペストリーは、抽象的な図柄を描いた正方形の紙を、和紙の原料であるコウゾでつないでいる。
あんどんは、何度も重ねて成形することによるグラデーションが繊細。光を通すと壁に影が広がり、幻想的な雰囲気を醸し出す。