国宝化に向けた学術調査が進められている福井県坂井市の丸岡城にスポットを当てた福井県立図書館の企画展「丸岡城~絵図と写真でたどる~」が、福井市の同館で開かれている。江戸時代の城下町一帯を記した絵図や昭和の解体修理前後の写真など貴重な資料約20点がパネルで展示されている。
1644年に幕府の命で作成された「越前国丸岡城之絵図」(国立公文書館蔵)には、本丸や二の丸などが五角形の堀で囲まれていた様子が描かれている。老朽化のため1940~42年にかけて行われた天守の解体修理前後を比べた乾板写真(文化庁蔵)では、傷んだ屋根瓦や壁が、きれいに修復されたことが分かる。
丸岡城は1576年に柴田勝豊が築城したとされ、天守は現在、国の重要文化財となっている。昨年、島根県の松江城天守が国宝となったことを受け、丸岡城でも国宝化を目指す動きが高まっている。
同図書館の長野栄俊主任は「丸岡城には、意外と知られていない歴史も多くある。城を残そうとした人たちの思いや歴史を知り、興味を持ってもらいたい」と話している。
企画展は4月10日まで。3月12日には福井工大福井城郭研究所の吉田純一所長の講演会がある。講演会は参加無料だが、申し込みが必要。問い合わせは同館=電話0776(33)8860。