1月末に県中部を襲い、松本市や東筑摩郡山形村で旅館宿泊客らを一時孤立させた「雨氷(うひょう)」による倒木などの被害から10日余り。このうち1月30日から休業していた上田市武石上本入の武石番所ケ原スキー場が11日に営業を再開し、12日ぶりにスキー客らの歓声がゲレンデに戻った。今季は暖冬の影響で営業開始も遅れており、スキー場職員らはほっと胸をなでおろしていた。
同スキー場は、県道美ケ原公園沖線が倒木のため通行止めとなり、電線切断による停電もあって営業を見合わせていた。倒木の撤去により県道の規制が解除され、停電も復旧。場内リフトの電線も修復が終わり、安全が確認されたため営業再開を迎えた。ただ、両側が林に囲まれた「林間コース」は倒木の被害が大きく、今季は閉鎖する。
同スキー場の広川秀明支配人(47)によると、この日の入場者数は約130人で休業前と同じくらい。広川さんは「休業はもっと長引くのではないかと思っていたので、再開できてほっとしている」。佐久市から訪れた会社員塚田悦子さん(38)は「雨氷被害にはびっくりしたが、営業再開を楽しみにしていた」と話していた。
ゲレンデ下のレストハウスではこの日、来場者に豚汁が振る舞われた。雨氷被害について知ってもらおうと、スキー場職員が撮影した写真を同ハウスに展示している。
雨氷被害では、松本市入山辺の県道松本和田線と東筑摩郡山形村の村道が1月29日夕に全面通行止めになり、入山辺の旅館「扉温泉・明神館」や山形村の宿泊施設「スカイランドきよみず」の宿泊客らが一時孤立した。同村道は31日に通行可能になり、同県道は1日に部分的に解除。明神館は2日に営業を再開した。きよみずは休業している。