江戸時代に大名や公家が泊まった旧宿泊所・本陣岩波家(諏訪郡下諏訪町)は1日、庭や和室などを背景に着物を着て写真を撮ることができる企画を始める。外国人観光客が日本文化に触れられるように―と計画。世界文化遺産の富岡製糸場(群馬県富岡市)を運営した片倉家とのゆかりを英語で紹介する案内板も設置した。
下諏訪町内のデザイン会社や呉服店、建設会社の協力で、衣類などを掛ける「衣桁(いこう)」風の案内板を作った。大柄な外国人でも見やすいよう、衣桁は高さ2メートルとし、着物も一回り大きく仕立てた。
富岡製糸場の保全に尽力した片倉工業(東京)の前身、片倉組の初代社長片倉兼太郎(1849〜1917年)は、岡谷市出身。岩波家からは26代目当主の妹が3代目兼太郎に嫁いだ縁があり、本陣の敷地内にはかつて製糸工場があったという。28代目当主の岩波尚宏さん(44)は「本陣の歴史を発信し、守っていきたい」と話している。
着物を着るのは無料だが、入館料(高校生以上400円、小中学生200円)は必要。下諏訪温泉旅館組合と連携し、着物姿で訪れると入館料を無料にする特典も構想している。