桃の節句を前に福井県南越前町河野の北前船主の館・右近家で、99年前に贈られたひな人形が展示されている。子どもの健やかな成長を願い、華やかな人形を飾ってきた歴史がしのばれる。22日まで。
人形は、右近家11代当主、義太郎の長女国分富久子さん(100)=東京都在住=へ、義太郎の妻の実家、石川県能登の時国家から贈られたもの。桐箱に大正6(1917)年3月と記されている。町が2008年に譲り受け、翌年から毎年展示している。
5段に飾られた人形はいずれも保存状態がよく上品な顔立ち。雅楽を奏でる五人ばやし、酒を注ぐ長柄などを持った三人官女らが並ぶ。
今年は富久子さんの100歳を記念して、3日から入館者先着100人に北前船をデザインした手提げ袋を進呈。3~6日には女性に限り、ひなあられもプレゼントする。
水曜休館。入館料は小中学生300円、高校生以上500円。問い合わせは同館・右近家=電話0778(48)2196。