20世紀を代表する画家マルク・シャガール(1887~1985年)の版画を紹介する「シャガール展」が21日まで、福井市の県立美術館で開かれている。旧約聖書の話に基づいた挿絵など華やかな色使いの作品44点が並ぶ。
美術館交流事業の一環で同館が主催し、高知県立美術館が所蔵する作品を展示した。
シャガールが40代で手掛けた旧約聖書の挿絵は、銅版に傷を付けるように描くエッチング技法を用いた作品。「出エジプト」は、苦悩や迷いを抱きエジプトを出国するユダヤ人の姿を繊細な線をつなぐように描いている。
説話集「千夜一夜物語」(アラビアン・ナイト)を基にした作品のうちの1点は、主人公の国王と女性が抱き合う物語のラストシーンを鮮やかな朱色や黄色などで表現し、来場者の目を引いている。
このほか、福井県立美術館所蔵の30点も紹介。シャガールと同じ時代を生きた画家、パブロ・ピカソらの抽象画が並んでいる。