小境荘が開いたどぶろくの試飲会。右は角間社長=今年1月

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宿民泊でゆっくり滞在 氷見・3泊素泊まり1万円も

北日本新聞(2016年3月14日)

 国内で広まる「民泊」をモデルに、氷見市内の民宿7施設が宿泊プラン「宿民泊(やどみんぱく)」を売り出し中だ。3泊以上の素泊まりが条件で、4人以上であれば原則1人当たり1万円で3泊できる。北陸新幹線開業や外国人の増加など多様化する旅行者のニーズに応え、安価な料金でゆっくり滞在してもらい、地域の豊かな自然や文化を体験してもらうのが狙いだ。(氷見総局・七瀬智幸)

 「宿民泊」は1人から受け付け、人数ごとに料金を定める。延泊も可能。温泉や浴場は利用することができ、希望があれば有料で食事を用意する。2月からスタートした。

 各民宿の特長に合わせ、ところてん作りやかまぼこの絵付けなどの体験ができる。一般家庭などに泊まる民泊と比べ、サービスや衛生面で安心でき、家庭的な雰囲気でくつろげるのが売りだ。

 企画の背景にあるのは、観光ニーズの多様化だ。2015年に日本を訪れた外国人旅行者は14年比632万人増の1973万人(推計)。滞在費を抑えられる民泊は外国人を中心に人気が高く、新幹線開業で北陸への注目が高まっていることも追い風だと判断した。

 企画した「Toyama観光セールス」(高岡市)の津田敏彦代表は「節約できるところは安く抑え、その分を体験、交流、食事に使う人が増えている」と指摘。氷見市は立山連峰や五箇山、金沢市、能登半島のほぼ中央に位置するため、地理的に便利なこともPRしていくという。

 氷見振舞酒特区(どぶろく特区)で酒類製造免許を持つ小境荘は、自家製のどぶろくが味わえるほか、女将(おかみ)が台湾出身で中国語が堪能。酒作りや米作りも体験できる。角間吉郎社長は素泊まりの希望が近年増えていると言い、「空室の有効活用にもつながる」と話す。

 交流サイト「フェイスブック」に宿民泊を掲載したところ、9千人以上が閲覧した。「家族で行きたい」「合宿や研修で利用できるのか」などの反響があり、津田代表は「氷見を拠点に県内の活性化につなげたい」と意気込む。


◆民泊◆
 自宅の空き部屋やマンションなどに観光客らを有料で泊める。営業は旅館業法で自治体の許可が必要だが、無許可のケースが多いとみられる。厚生労働省と観光庁の有識者会議はルール作りを進めており、基準緩和で許可が得やすくなり活用が見込まれる。


◆宿民泊の問い合わせ◆
 宿民泊の申し込みは、Toyama観光セールスが一括して対応する。問い合わせは津田代表、電話090(2129)9030。春の全国中学生ハンドボール選手権大会がある今月25~29日前後は既に満室。
 ▽参加施設=小境荘、河内屋、わたなべ(小境)いけもり(指崎)叶、美岬(阿尾)與市郎(窪)

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