「秋宮一」の御柱用材(手前)に輪なぐりを付ける氏子たち

「秋宮一」の御柱用材(手前)に輪なぐりを付ける氏子たち

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御柱祭 「秋宮一」と「秋宮三」綱つなぐ穴あけ

信濃毎日新聞(2016年3月20日)

 諏訪大社御柱祭の開幕まで2週間となった19日、下社山出し(4月8〜10日)の出発点となる諏訪郡下諏訪町の棚木場で、御柱用材に曳(ひ)き綱をつなぐ穴を開ける「木作り」が始まった。町内の氏子ら約300人が思いを込め、下社で最も太い「秋宮一」と「秋宮三」の柱を曳行(えいこう)できるよう加工した。

 氏子らはチェーンソーを使い、中腰になったり、伸び上がったりしながら、慎重に柱の両端の側面に穴を開け、のみで丁寧に仕上げた。穴には、ワイヤや麻布で作った輪状の「輪なぐり」を取り付けた。曳行では、この輪なぐりに曳き綱をつなぐ。

 朝方は雨が降ったが、氏子らが熱を込めて作業するうちに晴れ間がのぞいた。立ち会った町木遣(きやり)保存会員の氏子らは、チェーンソーの音に負けじと木やりを披露し、作業する氏子を励ました。

 秋宮一の柱にチェーンソーを入れる角度を指示していた宮地徹さん(47)は「わずかな狂いが木を削るにつれて大きくなる。うまく削れた」と納得の表情。秋宮三の木造(づく)り長、金高健司さん(54)は「みんなが協力してくれて本当にありがたかった。気持ちが高揚した」と話した。

 下社側の残り6本の木作りは、20日以降、岡谷市と諏訪市上諏訪地区の氏子が行う。

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