修復を終えて本体に取り付けられる小馬出町の車輪=高岡御車山収蔵庫

修復を終えて本体に取り付けられる小馬出町の車輪=高岡御車山収蔵庫

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御車山輝き再び 後輪修復し本体に取り付け 高岡

北日本新聞(2016年4月12日)

 国重要有形・無形民俗文化財「高岡御車山(みくるまやま)」の山車(やま)の一つ、小馬(こんま)出町(だしまち)の後輪2輪が修復を終え、11日に高岡市末広町の収蔵庫で本体に取り付けられた。高岡御車山保存会によると、同町の車輪は1861(万延2)年の新調以来、本格的な修復は初めてとみられ、金工や漆など工芸技術の粋を尽くした車輪が一層輝きを増した。

 車輪はケヤキ製で直径1・7メートル、厚さ11・6センチ、重さ230キロ。表面の黒漆の色が落ち、キリや雲などをあしらった真ちゅう製金具がゆがみ、欠損も目立っていた。中央から放射状に伸びる木材「矢骨(やぼね)」などにひびが入っていたほか、長年の使用で車輪全体が少しずつ縮み、外側の鉄輪との間に隙間ができていた。

 昨年5月1日の高岡御車山祭終了後、市内の大工や、漆、金工、木工の職人らでつくる高岡地域文化財等修理協会(大澤幸勝会長)のメンバー30人以上が、ことし3月末まで作業を進めてきた。

 車輪表面の汚れを落とし、漆を塗り直した。金具のゆがみを木づちで直し、欠けた部分は新調した。ひびが入った矢骨なども修復するなどし、鉄輪もはめ直した。林曉富山大芸術文化学部教授(漆工芸)が監修した。修復費用は1780万円。

 同協会メンバーらがトラックで車輪を運び、本体に取り付けた。同保存会理事の宮岡秀明さん(80)=小馬出町=は、2014年度に前輪2輪が修復されたことにも触れ「これほど大掛かりな修復は初めてではないか。多くの人に御車山に関心を持ってもらえればうれしい」と話した。

 小馬出町の山車は本年度に心柱などの修復も予定されている。

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