立山連峰を貫いて富山と長野の両県を結ぶ「立山黒部アルペンルート」は16日、約4カ月半ぶりに全線開通した。晴天の下、国内外から訪れた観光客が壮大な銀世界を満喫した。海外客の増加や北陸新幹線開業の影響に加え、週末ということもあり、初日の入り込みは9600人(立山黒部貫光調べ、速報値)と前年より4割多かった。
中心地の室堂ターミナル(標高2450メートル)は朝から青空が広がった。「雪の大谷ウオーク」では、観光客が高さ13メートルの雪壁の間を散策。暖冬の影響で昨年より6メートル低く、1998年と並びウオーク史上最低だったものの、台湾から訪れたエンジニア、林嘉玲さん(35)は「台湾は雪が少ないので見たかった。とても美しい」と満足した様子。タイの大学生、ナッタパット・ピットプリーチャさん(22)は壁の作られ方を知り「アメージング」と感嘆していた。
台湾や香港、タイなどの海外客が多く、川崎市から訪れた自営業、豊田進さん(69)は「日本語が聞こえてこないくらいだね」と驚いていた。
16日~5月28日は、富山-台北便が週4便から6便に増便され、台湾客の来訪を後押しする。
ウオークは6月22日まで、アルペンルートの営業は11月末まで。入り込み目標は102万人。立山黒部貫光の永崎泰雄常務は「夏や秋のPRにも力を入れる」と話した。
この日は、室堂平の積雪から環境変化を調べる富山大などの調査も現地で行われた。