絵本作家いわさきちひろの作品や生涯を紹介する「ちひろの生まれた家」記念館(福井県越前市天王町)に21日、新しい展示室がオープンした。新展示室では「絵本 窓ぎわのトットちゃん」の収録作品を集めた特別企画展が始まった。6月27日まで。
記念館は、ちひろの生家を修復し2004年にオープン。新展示室は、記念館を運営する越前市観光協会の三村義雄会長が明治時代に建てられた東側の建物を購入・改装し、2階部分に設けた。広さは約40平方メートルで、照明など展示に関する設備は同協会が整備した。
この日は記念式典が開かれ、三村会長や奈良俊幸市長らがくす玉を割って新展示室のオープンを祝った。
特別企画展は同協会と東京、長野にある「ちひろ美術館」が共催。黒柳徹子さんの自伝的物語「窓ぎわのトットちゃん」の絵本版に収録された作品の原画を、ピエゾグラフという最新の手法で再現した複製11点が並ぶ。表紙の絵として知名度の高い「こげ茶色の帽子の少女」などが並び、訪れた人がじっくりと眺めていた。
本年度は7月8日~9月5日と9月16日~11月28日にも、トットちゃんの別の収録作品を紹介する特別企画展を開く。安曇野ちひろ美術館(長野県松川村)の阿部惠さんは「2018年の生誕100年に向けて、一緒に盛り上げていければ」と話していた。
記念館の開館日は土日・祝日と毎月15日だったが、今後は毎週火曜と年始年末を除く毎日となる。時間は午前10時~午後4時で、入館料は中学生以上200円、小学生以下は無料。