28日オープンしたJR福井駅西口再開発ビル「ハピリン」。飲食店を中心に20テナントが入る「ハピリンモール」は、早くもグルメ目当ての客で大にぎわい。同市観光物産館「福福館(ふくぶくかん)」には新鮮な地場野菜も並び、県都玄関口の"食の拠点"は活況を見せた。あいにくの雨も、オープニング式典が開かれた屋根付き広場「ハピテラス」が、全天候型のイベント会場としての強みを発揮した。
■こだわり品ぞろえ
福福館は福井市だけでなく県内全市町の食や特産にこだわった品ぞろえが特徴。地場産の新鮮な野菜も並び、開店直後に買い求めていた福井市のパート北村英美子さん(74)は「特産品が手に取れるのがいい。ハピリンの一帯は都会的になっていい感じ」と笑顔。福福館の前田恭二館長は「地元の人に愛されれば、観光客にも満足してもらえるはず。もてなしの拠点にしたい」と話した。
老舗の「かゞみや」は土産のスイーツなどを小分けにして、自由に詰め合わせることができるコーナーを設け、女性らを引きつけた。昼時には行列ができる店もあり、福井市の会社員田辺靖恵さん(24)は北陸初出店のハンバーガー店で「新しい店ができると来てみたくなる」と昼食を楽しんだ。
■利用予約ほぼ満杯
ハピテラスと、能楽堂を備えた3階の多目的ホール「ハピリンホール」を合わせた福井市にぎわい交流施設も、集い、憩う拠点としてスタートを切った。
ハピテラスでのオープニング式典では市内の園児が歌やダンスを披露。5歳の長女の踊りをベビーカーに乗せた1歳の次女と見守った福井市の野村裕巳さん(37)は「雨でぬれないのは助かります。エキマエに出かけやすくなりますね」と話した。
ハピテラスの利用予約は土日分は11月半ばまでほぼ埋まり、平日も6月半ばまでイベントが入っている。ハピリンホールの年内の土日はほぼ予約が入り、平日も7月いっぱいは毎週予約がある状態。同交流施設の木村郁夫館長は「ホールも含めて、にぎわいと人の流れをつくり、エキマエ一帯を盛り上げていきたい」と今後を見据えた。