伊那市長谷の南アルプス林道沿いで、県のレッドデータブックで絶滅危惧種のシナノコザクラが岩肌で紫の花を咲かせている。同林道バス営業所によると、場所によって異なるが、今月いっぱいは見られそうだという。
一帯は12日、前日までの大雨から一転して快晴となった。青空に駒ケ岳(2967メートル)や仙丈ケ岳(3033メートル)が映え、ホテイランやクモマツマキチョウといった希少な動植物を目当てに、県内外の客が同林道バスに乗り込んだ。山野草や登山の愛好家たちとシナノコザクラを見た横浜市の田中正人さん(73)は「かれんできれい。よくあんな所に咲いているな」。
北沢峠(2032メートル)に続く同林道バスは、6月14日までは長谷戸台口―歌宿(1680メートル)間の運行。戸台大橋から先はバス停以外の場所で乗降できる。問い合わせは同林道バス営業所(電話0265・98・2821)へ。