福井県敦賀市は国の名勝に指定されている柴田氏庭園（同市市野々町１丁目）の見学会を２８日に開く。庭園は修復工事期間中で、見学会では普段非公開の建物内部を公開し、文化的価値や修理の現状を解説する。

　柴田氏庭園は江戸時代の豪農、柴田権右衛門の屋敷跡。野坂山を借景とする築山泉水（つきやませんすい）の庭園で、参勤交代時は小浜藩主の休憩所にもなった。

　書院や居宅部分を含めて老朽化が目立ち、２０１５年度から修復工事を始め、２１年度の完成を目指している。書院、居宅部分はともに解体し復元、居宅部分は地域住民らの文化発信の拠点としても活用できるように整備する。

　庭園の池は水抜きを行い、石の配置などを測量して調査した。池は堀を改造したもので、説明会では池の護岸部分が急斜面になっているなど特徴を説明する。

　庭園に臨む書院は開口部を広くとった造りで、窓が大きく柱が細い特徴がある。書院と居宅部分は現在は公開されておらず、文化振興課の担当者は「今後、解体工事を進め、現在の姿が見られる貴重な機会。手をかけて、修復していく過程を見てほしい」と呼び掛けている。

　見学会は午前１０時から１時間程度。問い合わせは同課＝電話０７７０（２２）８１５３。