配布されるガイドブックを受け取る関係者 =ホテル日航金沢

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富山の食に高評価 ミシュラン富山・石川版発表

北日本新聞(2016年6月1日)

 「これまで以上に頑張りたい」。飲食店や宿泊施設の格付け本「ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版」が発表された31日、選ばれた店の料理人たちは笑みを浮かべて喜んだ。最高ランクの三つ星は富山市の日本料理店1店だけ。県内の料理人のレベルの高さが証明された形だが、店の総数は石川県の半分程度で残念がる県民も。三つ星がなかった石川県の関係者からも不満の声が漏れた。 

 金沢市のホテル日航金沢で開かれたミシュランの出版記念パーティー。三つ星に「山崎」(富山市布瀬町南)の名が呼ばれると、集まった約500人の関係者から拍手が起きた。会場で評価を知ったという店主の山崎浩治さん(49)は驚きを隠せない様子。記念の盾を受け取り「信じられない。うれしい」と声を弾ませた。

 1998年の開店以来、感動してもらえる料理を作るようにと心掛けてきた。ミシュランをきっかけに北陸の食文化を盛り上げていきたいと言い、「料理の世界は競争ではなく、あくまでお客さまに喜んでもらうことが大切。これまでと変わらず真っすぐお客さまと向き合いたい」。

 二つ星の評価を受けた「海老亭別館」(同市桜木町)の店主、村健太郎さん(39)は「星を一つもらえればいいなと思っていたので驚いた」と照れ笑い。「富山の食材の素晴らしさが評価され、料理が調査員の口に合ったのかな」と謙遜した。

 一つ星の評価を受け、意気込みを新たにした料理人も。「たかの」(同市牛島町)の店主、高野智朗さん(39)は「富山に注目が集まるきっかけになる。天ぷらの文化を伝えていきたい」、イノベーティブ(独創性のある料理)「レヴォ」(同市春日・大沢野)のオーナーシェフ、谷口英司さん(40)は「(一つ星は)正直悔しい。これまで以上に個性を出した料理を提供していく」と話した。

 今回掲載された飲食店数は富山の94店に対し、石川は196店。富山市内で飲食店を経営する20代男性は「不公平と感じる。富山にはレベルの高い店がもっとあるのに、評価されていない」と漏らした。

 ただ県によると、食堂やレストランの総数は県内が3340店で、石川は6861店と2倍超に上る。県観光・地域振興局は「石川は飲食店の数が多いため、一概に比較できない」とした。県と富山市はガイド発刊に合わせ、食の魅力を広く発信するため、英語版ウェブサイトの作成支援費などに合わせて約1900万円を支出する。石川県内は金沢市が約900万円を出している。

 石井隆一知事は北日本新聞の取材に「(掲載店舗数の)バランスは欠いていない」とした上で、「高い評価を得るべき店は県内にまだまだあるように思う。見直しの機会があるならば、適正に評価してもらえるよう働きかけていきたい」としている。

■覆面調査どのように?
 覆面調査で知られるミシュランガイド。富山、石川県版の発行で日本ミシュランタイヤは2014年秋から、日本人8人と欧州人編集者で店を回っていた。いつごろ、どのように格付けしていたのか-。選考対象になった県内の飲食店にこっそり聞いてみた。

 富山市内のある飲食店によると昨秋、東京から1人の予約が入り、スーツ姿の40代とみられる男性が来店。すぐに店に入らず、タブレット端末で外観を撮り始めた。店に入ってからも店内や料理を撮影。お酒の注文では「あなたのイメージで選んでほしい」と風変わりなオーダーをした。

 食べ終えると、ミシュラン調査員であることを明かし、看板料理の写真を送るよう求めた。店主が「今回が初めての来店か」と尋ねると、別の調査員が匿名で複数回訪れ、下調べ済みだと答えたという。

 当時は富山・石川県版の発行が発表になる前で、店主は「まさか富山に来るとは思わなかったので驚いた」と振り返った。

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