佐久市中込の佐久商工会議所で16日、ボランティア団体「中山道佐久の道ガイドの会」の発会式が開かれた。同商議所が主催したガイド養成講座を受講し、認定された市民ら17人で発足。「いつでもご一緒します」をキャッチフレーズに、市内に残る宿場町を中心に地域の文化遺産を無料で案内し、観光客呼び込みの一翼を担っていく。
市内には、旧中山道の小田井(御代田町境)、岩村田、塩名田、八幡、望月の宿場町と、休憩所としての機能を果たした茂田井間(あい)の宿(立科町境)があり、いずれも古い街並みが残っている。同商議所は重要な観光資源として、案内役を育てようと2012年度に養成講座を開講。受講生は3年にわたって、座学や、宿場町や周辺の現地見学、ガイド実践などに取り組んだ。
会員は、60代を中心にした佐久市や周辺の住民らで、男性11人、女性6人。講座の修了後も1年間、自主的に月例会を開いて研修を続けてきた。ボランティアとして本格的に活動するために会の設立も準備。晴天率が高く千曲川が中心を流れる佐久市をイメージして水色をシンボルカラーと決め、おそろいのガイドベストやキャッチフレーズも入れたのぼり旗を用意した。今後、岩村田商店街内に拠点を置いて活動していく。
発足会には、会員や同商議所関係者ら計20人余が参加。樫山徹会頭は「観光振興に向けて地域の支えとして活躍してくれればありがたい」と激励した。会長の杉原洋さん(71)=佐久市=は「宿場町や間の宿はそれぞれに個性があり、多くの文化遺産が残っている。私たちも新たな魅力を見つけながら、地域のお店や特産品も観光客に紹介できるようにしていきたい」と抱負を語った。
ガイドは日本語のみ。10人単位を基本に少人数でも対応する。宿場町や間の宿のうちどこか1カ所を中心に約2時間の案内を予定。ガイドを希望する人や団体とともに、一緒にガイドを担う仲間も募集している。お披露目ツアーとして、7月30日に塩名田宿、9月24日に茂田井間の宿でガイドを計画。両日とも午前10時〜正午で、予約不要だ。
ガイドの申し込みや問い合わせは、佐久商議所内の事務局(電話0267・62・2520)へ。