真田信繁の書状の原本とみられる史料を紹介する玉城客員教授

真田信繁の書状の原本とみられる史料を紹介する玉城客員教授

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唯一の「信繁」署名発見 家臣宛て?用字や字配りで推論

信濃毎日新聞(2016年6月17日)

 NHK大河ドラマ「真田丸」の主人公で、上田市ゆかりの戦国武将真田信繁(幸村)が出したとみられる書状が新たに見つかったことが16日、分かった。清泉女学院大(長野市)の玉城司客員教授(63)が発見し、1590(天正18)年の年号と信繁の署名がある。信州の歴史文書をまとめた「信濃史料」に内容が載っている書状の原本とみられる。

 玉城客員教授によると、現在伝来している信繁が出した文書は20通で、これまで原本が確認されているのは7通。今回見つかったのは信繁が20代前半ごろの早い段階の史料で、「信繁」と署名するのは唯一という。

 書状は、豊臣秀吉が相模国(現神奈川県)の北条氏を滅ぼした小田原攻めがあった90年の8月10日付で、「安中平三」宛て。絶え間なく戦い続けてきたことから安中の姓を与え、領地などを与えることを約束する内容だ。

 従来の研究では、「安中と主従関係に入った」「小田原出兵に際し関東で軍事行動をしていた」などを意味するとされている。真田宝物館(長野市)によると、真田家には安中作左衛門という家臣がおり、平三と同一人物かは検討を要するという。

 玉城客員教授が2015年12月ごろ、上田市の古書店で書状を見つけた。信繁の兄で松代藩真田家初代藩主信之(信幸)、信之の長男信吉の書状など真田家に関連する10通と共にあった。

 真田宝物館は、江戸後期に真田家の歴史を家臣がまとめた「真田家御事蹟稿(ごじせきこう)」に、今回見つかった古文書のうち、信繁書状を含む何点かが載っており、「これらがまとめて家臣の家に伝来したことは確実」としている。

 玉城客員教授は、一緒に伝来した書状と紙質や寸法が近く、用字や字配りなどから信繁の自筆と推論。相手に礼を表すため、本文に重ねる「礼紙(らいし)」も残っていることも原本と判断する一因とする。「書風から実直で飾らない人柄がうかがえる。信繁の人物像も含め歴史的意義を見直してもらえればありがたい」と話し、ほかの研究にも役立ててもらう考えだ。

 書状は当面、真田宝物館に預ける。同館は今後、開催中の真田家の史料を集めた特別企画展で展示する方針。

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