横17メートルに及ぶ大作を慎重に展示するスタッフら=県水墨美術館

横17メートルに及ぶ大作を慎重に展示するスタッフら=県水墨美術館

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河鍋暁斎展に17メートルの大作 25日から富山県水墨美術館

北日本新聞(2016年6月23日)

 富山県水墨美術館で25日開幕する企画展「鬼才-河鍋暁斎(かわなべきょうさい)展 幕末と明治を生きた絵師」の展示作業が22日始まった。縦4メートル、横17メートルで、北陸初登場となる大作「新富座妖怪引幕(しんとみざようかいひきまく)」など、肉筆彩色画や水墨画が次々と並べられた。

 河鍋暁斎は、江戸末期から明治にかけて活躍した絵師で、歌川国芳や狩野派に学び、卓越した画技とユーモアあふれる発想で知られる。美人画や戯画、風俗画など多彩なジャンルの作品を多く残し、近年国内外で評価が高まっている。企画展では前後期に分けて、多彩なジャンルの113点を紹介し、暁斎の魅力を多角的に伝える。

 新富座妖怪引幕は、明治前期の東京を代表する劇場のために制作された巨大な作品。当時の歌舞伎界を代表するスターたちをモデルにした妖怪たちがつづらから飛び出す様子を迫力いっぱいに描く。暁斎は酒を飲みながら4時間で完成させたという逸話が残っている。展示ケースを埋め尽くすような大作とあって、スタッフ17人が3時間以上かけて作業。たわんだり、傾いたりしないように慎重につり下げた。

 引幕を所蔵する早稲田大坪内博士記念演劇博物館の学芸員、永井美和子さんは「この大作を一気に描き上げたという暁斎の才能を感じてもらいたい」と話した。

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