26日に20歳を迎えるラボと、長年見守り続けてきた松原さん=22日、福井県坂井市の越前松島水族館

26日に20歳を迎えるラボと、長年見守り続けてきた松原さん=22日、福井県坂井市の越前松島水族館

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イルカのラボが20歳に 越前松島水族館、26日記念撮影会

福井新聞(2016年6月23日)

 1997年1月のロシアタンカー・ナホトカ号の重油流出事故で、福井県坂井市の越前松島水族館から県外へ一時救出移送された雄のバンドウイルカ「ラボ」が26日に20歳の誕生日を迎える。ラボが水族館で生まれた時からトレーナーを務めてきた松原亮一さん(46)は「今度はラボの子どもが見たい」と、同館初の3世誕生に期待を寄せる。

 ラボは96年6月26日生まれ。同館で初めて繁殖に成功したイルカだった。事故時は生後約6カ月で、飼育プールに油が入らないよう職員やボランティアが24時間交代で管理した。だが油の回収はいつ終わるか見通しがつかず、健康被害を懸念し母親のフローラとともに神戸市の水族館へ移送を決めた。イルカの赤ちゃんの移送は世界でも例がなく、死ぬことも覚悟したという。

 全国のイルカトレーナーやボランティアの協力で移送は成功。親子が元気に泳ぐ姿を見た松原さんは「本当にうれしかった。館長に連絡した時に(電話の向こうから)聞こえた歓声を忘れない」と話す。親子は移送先で約5カ月過ごした。

 現在ラボは体長約3メートル、体重約300キロ。ショーでは主役として、父親のジェミニと一日4回活躍している。移送経験からかほかのイルカより人に慣れており、どのトレーナーとも合わせて安定したショーを見せるエースに成長した。

 松原さんは「トレーナーとしての技術をたくさん教えてもらった。ラボの30、40歳の誕生日も一緒に迎えたい」と目を細める。繁殖のため7月中に雌2頭と"お見合い"するラボに対し「この先も子、孫と命をつなげていってもらい、水族館を盛り上げていってほしい」と話していた。

 同館は26日午前10時半と午後0時半からのショーの後、誕生を祝うメッセージが書かれた横断幕やラボとの記念撮影会を開く。また7月3日まで連日、来館者が入場チケット購入時に「ラボちゃんお誕生日おめでとう」と言うと、先着100人にオリジナル缶バッジがプレゼントされる。

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