福島県国見町から株分けされた「萬歳楽蓮」のつぼみ=23日、南越前町の花はす公園

福島県国見町から株分けされた「萬歳楽蓮」のつぼみ=23日、南越前町の花はす公園

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福島から移植花ハスにつぼみ 南越前の公園の「萬歳楽蓮」

福井新聞(2016年6月24日)

 2011年の東日本大震災をきっかけに福島県国見町で数十年ぶりに開花し、南越前町の花はす公園に株分けされた花ハス「萬歳楽蓮(まんざいらくれん)」が移植後初めてつぼみを付けた。数日中に開花するとみられ、関係者を喜ばせている。

 萬歳楽蓮は、40〜50年間ハスが途絶えていた国見町のため池で、11年8月ごろに浮き葉が見つかったハスに付いた名前。同町は東日本大震災で震度6強の揺れに見舞われた。池の地盤に亀裂が入り、その影響で地中に埋まっていた種が発芽したらしい。12年には池の約半分まで広がり、大きな白い花が咲いた。地元で古くから地震の際に唱えられたまじないの文言「萬歳楽」から名付けられ、復興の象徴の一つとして大切にされている。

 花はす公園には国見町と交流のあった民間団体「蓮(はす)文化研究会」(東京)を通じて14年に株分けされた。これまでの2年間は開花に至らなかったが、南越前町公共施設管理公社職員で同公園担当の宮地克郎さん(59)が6月初めに二つのつぼみを見つけた。現在は四つを確認しており、移植から見守ってきた宮地さんは「他の花ハスに比べて葉が非常に美しい。これまで咲かずに気をもんでいたので、ほっとしている」と話す。

 同研究会事務所長の千島秀元さん(68)によると、千島さんの自宅と埼玉県内の2カ所でも栽培しているが、つぼみを付けたのは同公園が初めて。千島さんも「復興を願って全国に広げようという思いで株分けした。うまく育ってくれてうれしい」と声を弾ませた。

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