7月の作品展で飾る、故松本花さんの手による松代紬の着物

7月の作品展で飾る、故松本花さんの手による松代紬の着物

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「真田紐・松代紬」伝統工芸復活へ 松代の女性5人活動開始

信濃毎日新聞(2016年6月29日)

 長野市松代地区の織物経験者を中心に女性有志5人が「真田紐(ひも)・松代紬(つむぎ)の会」をつくり、真田氏ゆかりと伝わる真田紐を地域に根付かせ、地元伝統の松代紬も再興させようと活動を始めた。伝統工芸の体験観光を通して若い世代に親しんでもらい、昔ながらの手織りの普及や技術の復活、伝承を狙う。7月に松代紬の作品展と真田紐の手織り体験を予定している。

 真田紐・松代紬の会は1月中旬に結成し、住民組織「エコール・ド・まつしろ倶楽部」の「織物専科」として活動している。松代地区は江戸中期から昭和初期まで製糸業が盛んだったが、時代とともに廃れていった。

 「せっかくだから目を向けなくてはもったいない。少しずつ復活させて小さな産業になればいい」と、織物専科代表で簡易宿泊施設を営む山本薫さん(48)。施設は元製糸会社役員の家で、江戸時代には紺屋や染色職人が住んだ紺屋町に建つこともあり、力が入る。

 上田紬や松本紬、飯田紬は信州紬と称し、経済産業省から伝統的工芸品として指定され、発展してきた。手つむぎ、草木染、手織りが特徴という。松代紬について山本さんは「生産が盛んになることで、ゆくゆくは信州紬の一つとして認められる可能性もある」と期待。「多くの人に関心を持ってほしい」と願う。

 一方、真田紐は県内では作られておらず、希少という。ただ、地元でもかつてげたスケートを履く際に丈夫な真田紐が使われていたと聞き、今回の体験ではメンバーの指導で小型の道具を使い、ひも付きのしおりを作る。山本さんは「真田家ゆかりの地・松代で真田紐をPRしたい」と話す。

 作品展と手織り体験は7月16〜18日の午前10時〜午後4時、旧樋口家住宅で。松代紬の作家だった地元の故松本花さんが手掛けた着物や反物など10点余を展示する。入場無料。真田紐の手織り体験は料金500円。問い合わせはエコール・ド・まつしろ倶楽部(電話026・278・0550)へ。

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