大野市は、地元の名水から生まれる地場産品を「水をたべるレストラン」と銘打ち、ブランド化を目指す事業を始めた。第1弾として市内14の菓子店が29日、水まんじゅうに統一ロゴマークを付けて販売を始めた。
地下水が豊富で恵まれた水環境を国内外に発信して市民の誇りを醸成しようと、市が取り組んでいる「キャリング・ウオーター・プロジェクト(CWP)」の一環。「水のきれいなまち」というイメージを生かして地場産品の振興を図る。
統一テーマの下での水まんじゅうの販売は、市内二つの菓子店が発起人となって他の店舗に呼び掛けた。
水まんじゅうはクズや寒天を水で固め、中にあんが入っている。清涼感があり夏場に人気を集めている。同市春日1丁目の「お菓子のひろせ」では従来の品に加え、市内のワイナリーのブドウ原液を使った水まんじゅうを開発。このほかの店舗でも、コーヒー味やオレンジ味などを発売したり、水まんじゅうそのものを新たに商品として売り出したりした。
発起人の一人である「お菓子のひろせ」の内山奈保子さん(45)は「蛇口をひねればおいしい水が出ることに感謝している。各店舗の味を食べ比べられるように、イベントへの出展も考えたい」と意気込んでいた。
市では今後、さまざまな産品での展開を探る予定で、市湧水再生対策室の荒矢大輔さんは「酒やしょうゆなどを想定しているが、あくまで市民の方の自主性を尊重したい」と話している。
CWPは市が昨年から取り組んでおり、東ティモールに給水施設を整備する支援活動を打ち出し、現在賛同者から寄付を募っている。