パネル討論で意見を交わす(左から)阿部知事、野口さん、山口さん、仲川さん

パネル討論で意見を交わす(左から)阿部知事、野口さん、山口さん、仲川さん

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松本で「山岳サミット」 野口健さんらパネル討論

信濃毎日新聞(2016年7月4日)

 今年初めて迎える国民の祝日「山の日」(8月11日)の制定を記念した信州山岳サミット(県主催、信濃毎日新聞社など後援)は3日、松本市のキッセイ文化ホール(県松本文化会館)で開いた。テーマは「信州の山を安全に楽しむために〜世界水準の山岳高原観光地へ」。登山家野口健さんの講演とパネル討論があり、300人余が聞いた。

 野口さんは講演で、世界最高峰エベレストに初挑戦した際に「至る所で遭難者の遺体を目にして、理屈抜きに死を感じ、生への執着心が強くなった」と説明。「山から学んだことは大きい。『山の日』は単に山に登るだけでなく、なぜ人は山に登るのかも考えてほしい」と呼び掛けた。

 野口さんを交えたパネル討論では、登山歴6年のモデル仲川希良(きら)さんが「温泉や(伏流水で造った)お酒のような山の恵みを麓で楽しむのも山登りの醍醐味(だいごみ)」と信州登山の魅力を語った。北アルプス涸沢で山小屋を経営する山口孝さんは「登山道の整備が山の自然保護にもつながる」と指摘した。

 信州山岳サミットに先立ち、信州大や県内高校の山岳部員を集めた関連イベント「『山の日』を語ろう」もあり、50人余りが参加。若者が山に行きたくなる仕掛けや登山技術の習得法などを話し合った。登山口までの交通費やテント場の利用料に学割を設ける、登山者の力量に応じた山を紹介する「ステップアップ百名山」を設定する―などのアイデアが出た。

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