長野市産のキュウリが並ぶホテルJALシティ長野の朝食会場

長野市産のキュウリが並ぶホテルJALシティ長野の朝食会場

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長野3ホテル「共通朝食券」 朝採りキュウリ提供も

信濃毎日新聞(2016年7月5日)

 長野市街地の3ホテルが「共通朝食券」を使い、誘客に取り組んでいる。宿泊客が他のホテルの朝食も利用できるようにして、善光寺参拝などと合わせて朝の散策を楽しんでもらったり、市内への連泊を促したりする狙い。今月から地元の農産物を共通で提供して特色を打ち出す試みも始め、各ホテルは朝食に長野市産のキュウリを並べている。

 3ホテルは、ホテル国際21(県町)、ホテルJALシティ長野(問御所町)、ホテルメトロポリタン長野(南石堂町)。ながの観光コンベンションビューロー(長野市)が取りまとめ、4月に始めた。朝食付きの宿泊客は、朝食券を他の2ホテルのものと変更できる。善光寺のお朝事後の散策や朝のジョギングの途中で、宿泊先とは別のホテルに立ち寄って朝食を取る―といった楽しみ方を提案している。

 地元農産物の提供は、市観光振興課が「誘客の仕掛けに生かしたい」と提案。3ホテルは今月1日から8月19日までの間、農薬の使用をできるだけ抑える農業に取り組み、県からエコファーマーに認定されている岩崎博充さん(39)=長野市東和田=のキュウリを朝食に使う。

 岩崎さんはこの間、いつもより1時間ほど早い午前3時半ごろから収穫作業を開始。ホテルJALシティ長野は毎朝、約2キロを仕入れる。歯応えを楽しめるよう、輪切りにして氷水入りのボウルへ。同6時半からの朝食の会場に、マルコメ(長野市)のみそと一緒に並べる。

 出張で都内からこのほど訪れた会社員男性(59)は「出張だと、おなかが膨れればいいというだけの食事になりがち。地元の農産物を食べられるのはありがたい」。大山哲生総支配人は、期間限定の地元農産物の提供で「お客さまに、ちょっとしたサプライズ(驚き)として喜んでもらえる」とし、来年夏の大型誘客事業「信州デスティネーションキャンペーン(DC)」に向けて弾みを付けたいとする。

 共通朝食券の取り組みは来年3月末までの予定。ながの観光コンベンションビューローは、地元農産物の提供が始まったことを踏まえ、夏の観光シーズンに向けて「これから本格的にPRしたい」。岩崎さんは「手間は掛かるが、地域への野菜の供給基地でありたい」とし、地元農産物への関心の高まりに期待する。市観光振興課は、他の野菜や果物も共通で提供するかや、取り組みを他のホテルにも打診するか、客の反応を見ながら検討する考えだ。

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