躍動的なポーズで来場者の目を引く「土蜘蛛」(左)=高岡市美術館

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詩情あふれる造形美 15日から高岡市美術館「村上炳人展」

北日本新聞(2016年7月15日)

 高岡市佐野出身の彫刻家、故村上炳人(へいじん)さん(1916~97年)の作品を紹介する企画展「生誕100年 村上炳人展-造形を詩(うた)う」の開会式が14日、高岡市美術館で行われた。初期作から遺作まで70点を一堂に展示し、「具象も抽象も同じ立体造形」という境地に至った創作の軌跡を振り返る。15日から8月28日まで一般公開する。

 村上さんは県立工芸学校(現高岡工芸高校)卒業後に上京。木彫家の故平櫛田中さんに師事し、日本美術院展で活動した。復員後は京都に住み、1959年の二紀会所属をきっかけに具象から抽象に作風が転化。70年代から再び具象に戻ったが、写実的だった初期とは異なり、喜怒哀楽を感じさせる詩情あふれる作品を発表した。

 展覧会では、これまであまり公開されなかった院展時代の木彫をはじめ、金属の鏡面効果を利用した「虚像」や、日本の古典を題材にした「土蜘蛛」などが並ぶ。趣味として制作した書画や陶芸もあり、多才ぶりを伝えている。

 開会式で、高田克宏市教育次長、棚田北日本新聞社取締役高岡支社長があいさつ。車谷市朗県生活環境文化部次長、水口清志市議会議長が祝辞を述べた。村上さんの長男である村上隆市美術館長らが加わり、テープカットした。

 出席者は村上館長の案内で作品を見学。元市美術館長の久泉迪雄さん(88)は「一人の作家と思えないほど、作品にバラエティーがある。瞬間を捉える描写力が際立っている」と話した。

 開館時間は午前9時半~午後5時。市美術館、北日本新聞社主催。

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