アンズの加工品をPRする近藤さん(左)ら

アンズの加工品をPRする近藤さん(左)ら

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「アンズの里」加工品でPR 高齢化進む千曲・森地区に生産意欲を

信濃毎日新聞(2016年7月22日)

 千曲市森の主婦ら7人が任意団体「工房アプリコ」をつくり、地元のアンズにこだわったジャムなどの加工食品を発売した。「アンズの里」として知られる森地区は高齢化で栽培をやめる人が目立っているという。「おふくろの味」で魅力が増したアンズが高く売れ、住民の生産意欲向上につながることを期待。収益でアンズの苗木を買って植える生産振興にも取り組む。21日、メンバーらが長野市の県庁で記者会見した。

 アプリコは今年1月に結成。代表の近藤美枝子さん(67)は「アンズの木が切られていくのが寂しく、何とかしたかった」と語る。メンバーは60〜70代の女性。アンズのジャムやシロップ漬けを各家庭で作っており、一部は地元グループが開く料理教室で調理法を教えている。

 商品の第1弾はジャム(瓶入り160グラム500円)、シロップ漬け(瓶入り370グラム千円)、ドライアンズ(100グラム千円)の3種類で、6月中旬に発売した。ジャムには甘みと酸味のバランスが良い品種「平和」、シロップ漬けは小ぶりな実で丸ごと漬けられる「信山丸」、ドライアンズは肉厚な「信州大実」を選び、長年の経験を生かした。

 アプリコは、地元のちくま農協森店の敷地内にある空き施設を借りて作業場兼事務所に改修し、ドライアンズ用の乾燥機を導入した。準備費用には県の元気づくり支援金576万円を充てる。県の地域資源製品開発支援センター(松本市)から、ラベルのデザインなどの助言を受けた。

 千曲市農林課によると、市内では昨年度、ちくま農協(千曲市)に生食用と加工用を合わせて396トンが出荷された。

 近藤さんは「(地元に)利益を還元し、地域おこしをしていきたい」と意気込みを語った。今後は千曲市森の青果の加工品も作り、安定した収益の確保を目指すという。

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